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🍽️ 福山飲食開業マスターシリーズ(全10回)
第3回:事業計画の作り方と利益の出し方【福山居酒屋編】
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居酒屋開業で失敗する最大の原因は、
**「数字を具体的にイメージしないまま開業してしまうこと」**です。
福山市内では特に、
立地によって“現実的な数字”が大きく異なります。
今回は、
福山で実際に居酒屋が集積しているエリア名を挙げながら、
事業計画を立てる際の数字感を整理します。
1️⃣ 事業計画は「立地別」に考えないとズレる
まず大前提として、
居酒屋の売上は次の式で決まります。
売上 = 席数 × 回転数 × 客単価
問題は、
この3つの数字が
エリアによってまったく違うという点です。
2️⃣ 駅前型居酒屋の数字感
(福山駅前・元町・伏見町・三之丸町)
該当エリア
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福山駅南口周辺
-
元町
-
伏見町
-
三之丸町
想定モデル
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席数:25〜35席
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客単価:3,500〜4,500円
-
回転数:1.5〜2.0回/日
月商イメージ
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300万〜450万円
数字の特徴
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平日と週末の差が大きい
-
二次会・短時間利用が多い
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ドリンク売上比率が高くなりやすい
注意点
-
家賃が高く、固定費の影響が大きい
-
人件費をかけすぎると利益が残らない
👉 駅前型は「売上は作りやすいが、利益は設計次第」
立地が良くても、数字設計が甘いと苦しくなります。
3️⃣ 昭和町・界隈型居酒屋の数字感
(昭和町・笠岡町・霞町周辺)
該当エリア
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昭和町
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笠岡町
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霞町
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胡町周辺
想定モデル
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席数:20〜30席
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客単価:4,000〜5,500円
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回転数:1.2〜1.5回/日
月商イメージ
-
250万〜400万円
数字の特徴
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客単価が比較的高い
-
常連比率が高く、売上が安定しやすい
-
お酒・料理の専門性が数字に直結
注意点
-
回転を追いすぎると店の魅力が落ちる
-
原価管理を誤ると利益が残らない
👉 昭和町・界隈型は「数より“濃さ”で勝つモデル」
ファンがつくと、強い数字になります。
4️⃣ 郊外型居酒屋の数字感
(松永・神辺・春日町・伊勢丘・南蔵王町など)
該当エリア
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松永町
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神辺町
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春日町
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伊勢丘
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南蔵王町
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多治米町
想定モデル
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席数:40〜60席
-
客単価:3,000〜4,000円
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回転数:1.0〜1.3回/日
月商イメージ
-
280万〜420万円
数字の特徴
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家賃が抑えられ、固定費が低い
-
ファミリー・地元客が中心
-
滞在時間が長く、回転は低め
注意点
-
開業直後は売上が立ちにくい
-
認知されるまで時間がかかる
-
オペレーションが複雑になりがち
👉 郊外型は「長期視点で利益を積み上げるモデル」
5️⃣ 福山の居酒屋で利益が残る共通ライン
エリアに関係なく、
長く続いている居酒屋の数字には共通点があります。
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原価率:30%前後
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人件費:25%以内
-
家賃:10%以内
-
その他経費:10%前後
👉 営業利益10%以上
これが、無理のない経営ラインです。
6️⃣ 事業計画で必ずやるべきこと
✔ 平日/週末を分けて売上を考える
✔ 開業3ヶ月・6ヶ月後の数字も作る
✔ 最初から満席前提で組まない
事業計画は、
**融資のための資料ではなく、
「自分の判断基準」**です。
🧠 立地別・事業計画の考え方まとめ
| 立地タイプ | 主なエリア | 勝ち方の軸 |
|---|---|---|
| 駅前型 | 元町・伏見町 | 回転×使いやすさ |
| 昭和町型 | 昭和町・延広町 | 客単価×常連化 |
| 郊外型 | 神辺・南蔵王 | 固定費抑制×継続 |
📌 第4回予告
開業資金と融資・補助金の考え方【福山版】
・実際いくら必要か
・どこから借りるか
・資金繰りで失敗しない考え方

