第9回:長年、店に出入りしてきて「おゃ???」と感じる瞬間
【福山居酒屋編】
🍶 福山飲食開業マスターシリーズ(全10回)
第9回:長年、店に出入りしてきて「おゃ???」と感じる瞬間
【福山居酒屋編】
私はコンサルタントではありません。
福山で長年、居酒屋さんにお酒を届け、
物件の相談にも関わってきた、いわば現場の外側の人間です。
その立場から言うと、
繁盛していたのに、ある時から静かに弱っていく店には、
共通する“空気の変化”があるような気がします。
今回は、
数字の細かい理論ではなく、
現場を見ていて「あ、ちょっと、おゃ???」と感じる瞬間を
正直に書きます。

1️⃣ 仕入れの量が「少しずつ」変わり始めた時
一番分かりやすいサインは、
酒の動きがじわっと鈍る時です。
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ビールの減りが、前より1日遅くなる
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日本酒の追加注文が月1回減る
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焼酎の銘柄が減っていく
店主さんはだいたいこう言います。
「最近、ちょっと落ち着いてて」
でも実際は、
忙しい日と暇な日の差が大きくなっていることが多い。

福山では特に、
「金土は変わらないけど平日が静か」
この状態が一番危ないような気がします。
2️⃣ 店主さんが“カウンターに立たなくなる”
長く出入りしていると、
店主さんの立ち位置の変化にも気づきます。
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以前はカウンターで客と話していた
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最近は奥で事務作業が増えた
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顔を出す時間が短くなった
これは怠けているわけではなく、
余裕がなくなっているサインです。
福山の居酒屋は、
店主の存在感がそのまま店の空気になります。

👉 店主が前に出なくなると、
常連さんも少しずつ距離を置き始めます。
3️⃣ 「顔見知りだから」が増え始めた時
これは酒屋目線で、かなり分かります。
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サービスが増える
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盛りが良くなる
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価格の話が曖昧になる
「まあ、○○さんだから」
この積み重ねで、
原価も利益も、静かに削られていく。

福山は顔の見える商売だからこそ、
この“情”が強く出やすい。
👉 気づいた時には
「忙しいのに残らない店」になっています。
4️⃣ 仕入れの相談内容が変わった時
好調な時の相談は、こうです。
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「この酒、どう思います?」
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「これ入れたら面白いかな」
でも、危なくなってくると、
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「もっと安いのない?」
-
「これ、取るのやめようか」
に変わります。

もちろん原価調整は大事ですが、
理由が“売れないから”だけになった時は要注意。
👉 店の軸が揺れ始めているサインです。
5️⃣ 物件の話がふと出る時
これは、不動産側の立場だから分かる話です。
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「更新、どう思います?」
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「今の家賃、高いですかね」
-
「この辺、他に空きあります?」
冗談っぽく聞こえますが、
頭のどこかで“次”を考え始めている状態。

福山では、
閉店を決めるずっと前から、
こういう会話が始まります。
6️⃣ 危なくなっても「急に潰れる店」は少ない
福山の居酒屋は、
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いきなり潰れる
より -
2〜3年かけて弱る
この方が圧倒的に多い。

だからこそ、
最初の小さな違和感に気づけるかどうかが重要です。
まとめ|酒屋・仲介業者として見てきた現実
✔ 平日の酒の減りは正直
✔ 店主の立ち位置は店の状態を映す
✔ 情が原価を削る
✔ 相談内容が変わるときは要注意
✔ 物件の話が出たら、かなり進行している

次回、最終回 第10回 は、
この立場だからこそ書ける、
「それでも続く店、静かに閉じる店【福山の現場から】」
・続く店が“やらないこと”
・撤退を決めた人の共通点
・次につながる閉じ方
で締めくくります。
***** つづく *****

