━━━━━━━━━━━━━━━━━━
🍽️ 福山飲食開業マスターシリーズ(全10回)
第2回:立地選びの勝ちパターン【福山版】
━━━━━━━━━━━━━━━━━━
居酒屋開業において、
**立地選びは「最初で最大の分かれ道」**です。
料理や接客は後から改善できますが、
立地だけは、一度決めたら簡単には変えられません。
今回は、福山市で居酒屋を開業する人が
高確率で成功に近づくための立地の考え方を、
実例とロジックを交えて整理します。
1️⃣ 福山市の立地は「3タイプ」で考えるのが現実的
福山市で居酒屋を開業する場合、
立地は大きく次の 3タイプ に分けて考えると、
実態に即した判断がしやすくなります。
- 駅前型
- 昭和町・界隈型
- 郊外型(ロードサイド)
それぞれ、
「人の動き」「来店動機」「成功しやすい居酒屋の形」
がまったく異なります。
🚉 駅前型(福山駅周辺・元町エリア)

特徴
- 人流が多く、夜の人口密度が高い
- 平日は会社員、週末は飲み会・観光客
- 二次会・三次会利用が多い
強み
- 認知が早く広がる
- 集客の初速が出やすい
- 少人数・短時間利用が回転しやすい
注意点
- 家賃が高く、固定費リスクが大きい
- 競合が非常に多い
- 「なんとなくの居酒屋」は埋もれやすい
向いている居酒屋
- カウンター中心・少人数対応
- お酒や看板メニューに明確な特徴がある
- “サクッと使える理由”が明確な店

👉 駅前型は「立地で集め、店の力で残す」エリア
立地任せでは長く続きません。
🍶 昭和町・界隈型(昭和町・南町・近隣繁華街)

特徴
- 「飲みに行く目的」で人が集まるエリア
- 常連・飲食関係者・飲み慣れた客層が多い
- 一晩で複数軒回る文化が根付いている
強み
- 客層の“飲食リテラシー”が高い
- コンセプトが刺されば強いファンがつく
- SNSや口コミで広がりやすい
注意点
- 立地だけでは人は入らない
- 店主のキャラクターや世界観が問われる
- 中途半端な業態は生き残りにくい
向いている居酒屋
- 個性・ストーリーがある店
- お酒・料理に専門性がある
- 大箱よりも中小規模

👉 昭和町・界隈型は「目的来店×常連化」で勝つエリア
“分かる人に分かる店”ほど強いのが特徴です。
🚗 郊外型(南部・神辺・東部などロードサイド)
特徴
- 車移動が前提
- 生活圏内での利用が中心
- 目的来店が基本
強み
- 家賃・固定費を抑えやすい
- ファミリー・地元客が定着しやすい
- 長期経営に向いている
注意点
- 開業初期は集客に時間がかかる
- 立地だけで人は入らない
- コンセプトが曖昧だと選ばれない
向いている居酒屋
- 日常使いしやすい価格帯
- 駐車場あり
- 料理の満足度が高い店
👉 郊外型は「地域に溶け込む設計」が成否を分ける
🔍 3タイプに共通して言える重要な視点
どの立地でも共通するのは、
**「人がいるか」ではなく
「その人が、なぜここで飲むのか」**を考えることです。
- 帰り道なのか
- 目的地なのか
- つい立ち寄る場所なのか
この違いを理解せずに物件を決めると、
開業後に修正が効かなくなります。
2️⃣ 人流を見るときに「絶対に外せない視点」
立地選びでよくある失敗が、
**「人が多い=良い立地」**という判断です。
居酒屋にとって重要なのは、
**“飲みに入れる状態の人がいるか”**です。
チェックすべきポイント
- 平日18〜21時に人は動いているか
- 一人か、複数人か
- 仕事帰りか、買い物客か
- 周囲に一次会向けの店はあるか
👉 人の「数」より「質」と「時間帯」
昼に人が多くても、
夜に人が動かなければ意味がありません。
3️⃣ 導線で見るべきは「帰り道」と「次の一軒」
成功している居酒屋は、
必ず “自然な導線上” にあります。
導線チェックの例
- 駅 → 駐車場までの帰り道にあるか
- 一次会の店から歩いて行けるか
- コンビニ・駐車場の動線上か
👉 「わざわざ行く」より
「つい入る」導線が強い
これは、
広告では作れない立地の力です。
4️⃣ 高確率で成功する居酒屋立地の条件【福山版】
福山市内で長く続いている居酒屋には、
次の共通点があります。
1️⃣ 立地と客層が一致している
2️⃣ 半径300mの需要を把握している
3️⃣ 家賃が売上の10%前後に収まる
4️⃣ 周辺に“競合だけ”でなく“相乗効果の店”がある
5️⃣ 開業後に修正できる余白がある
特に重要なのは、
「この立地で、誰に、どう使われる店か」
を言語化できているかどうかです。
5️⃣ 立地選びで持つべき思考法
✔ 有名エリア=成功ではない
✔ 安い物件=安全ではない
✔ 勘より観察、勢いより仮説
居酒屋経営は、
**「人の流れを読む力」**が結果を左右します。
立地は「運」ではなく、
分析と選択の積み重ねです。
ここまで読んで
「立地の重要性は分かったけど、
実際どう判断すればいいか難しい…」
と感じた方も多いと思います。

福山市内での居酒屋開業では、
物件情報だけでなく、
“この立地でこの業態は勝てるか”
まで一緒に考えられるパートナーがいると、
失敗リスクを大きく下げられます。
実際の現場では、
- 人流
- 周辺競合
- 家賃バランス
- 将来の客層変化
これらを総合的に見て判断することが重要です。
📌 第3回予告
事業計画の作り方と利益の出し方【福山居酒屋編】
- 売上の考え方
- 利益が残る店の数字設計
- 開業前に必ず作るべき計画とは?

この連載は、
**「売るための記事」ではなく、
「失敗しないための記事」**として書いています。
次回も、
福山で居酒屋を開業したい方にとって
本当に役立つ内容をお届けします。
引き続き、よろしくお願いいたします。🍶
***** つづく *****

